さよなら、嘘つき君。
日頃のサッカーで少し小麦色に焼けた肌に、耳くらいまで伸びた黒髪がとてもさわやかだった。
「あ、ごめん。顔は何度か見たことあるけど、名前は知らなくて…」
『あ、朝比奈伊織(あさひな いおり)です』
「朝比奈君、私はさくらば…『桜庭こころさん。知ってるよ』」
私の言葉を遮った朝比奈君はほんのり顔を赤くしながら、目を伏せてそう言った。
『桜庭さんさ、その…好きな人とか、いるの?』
「え?」
『ご、ごめん!その、俺……桜庭さんのこと好きで、もしよかったら、友達からでいいから、仲良くしたいなって』