さよなら、嘘つき君。



――ガラッ


B組の教師の扉を勢いよく開けたゆきちゃん。私はその後ろをついて行く。そして、教室の中をぐるっと見渡した。


――あっ


『玲、今日遊ばない?』

『今日?んーどうしようかな』

『玲君は私と遊ぶから今日はダメ』

『何よそれ』


春の新学期だというのに、さわやかな空気というより、少し嫌な空気が漂っていた。

女の子数人に取り囲まれた、”玲”と呼ばれる中心にいる人物。


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