私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「向上心がなければ、いくら石堂さんが教えてくれたって成長しません」

私は、ちゃんと話しを聞いてもらいたくてカウンター内に回って石堂さんの横に立つ。すると、鬱陶しそうに目を細めてじろっと私を睨みつけた。

「お前、うざい」

「なんとでも言ってください。私も片付け手伝いますね」

石堂さんが洗ったフラスコを拭いていると、はぁ、と大きなため息が聞こえた。

「嫌な女」

そんな呟きにももう慣れた。拒まれてもここで引いてしまっては、石堂さんとの距離が縮まらない。

石堂さんに認めてもらうまで諦めないんだから――。

なんの根拠もないけれど、頑張ればきっと私を受け入れてくれる日が来る。と、そんな気がした。

自分の使ったグラスを拭き、小柄な私には少し高い一番上の棚へ、つま先立ちでなんとかしまおうとした時だった。

「お前は変わってるな……」

「え? あっ」

その声に振り向いた瞬間、私の手からグラスがするりと滑り落ちるのと同時に、身体が傾いてよろけてしまった。
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