私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
いつも混まない時間帯だというのに、クリスマスを来週に控えた店内は忙しなく混雑していた。

「あれ? 怜奈、もうあがりじゃないの?」

バイトを掛け持ちしている怜奈は、たいてい午後十六時に私と交代して店を出る。けれど、時間になっても怜奈はシンクで洗い物をしていた。

「聞いてよ~。もう一個のバイト、シフト減らされちゃってさぁ、だからこっちで午後もシフト増やしてもらったの。彼氏のクリスマスプレゼント代でしょ、年明けの旅行でしょ、稼がなきゃ、って時にさぁ」

怜奈はぶつぶつ文句を言いながら使用済みのトレーをさっさと拭いて並べていく。

「里美、もし休み取りたかったら私、シフト代わってあげるよ」

「うーん、残念ながら私も特に予定ないんだよね……それに、今、石堂さんから徹底的にコーヒーの淹れ方を教わってるとこだから、私も休んでられないんだ」

怜奈と話しながら石堂さんの姿を目で追ってしまう。石堂さんは相変わらず仕事熱心で、真剣な顔つきでコーヒーを抽出している。

「んで? 里美はそんな石堂さんを実はどう思ってるの?」

「へ?」

怜奈の唐突な質問に間抜けな声が出てしまう。ニヤニヤしながら私を見る怜奈は、“隠さずに言いなさい”と言っているようだった。
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