私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「マスコミに持って行きたければ、お好きなようにすればいい。けれど、私はどうあれ、こんな写真が世間に知れ渡ろうと、うちの会社にはなんの影響もない」

石堂さんは、くだらない、と言ったふうに鼻を鳴らした。

「万が一、この写真が流出したせいで、里美さんになにかあった時は……」

そう言って、石堂さんがチラリと私に視線を向け、再び母と一ノ宮さんに視線を戻す。

「私が彼女を守ります。そして、その時は、一ノ宮コーポレーションが社会的に抹殺されるということを、覚悟してください。私にとって、そのくらいのことは造作もないことですので……」

石堂さんの強い意志が、その視線に込められると、母も一ノ宮さんも凍りついたようになった。

「それに、この音源が公になれば……むしろ、おたくの方が危ういのでは?」

石堂さんがそう言い放つと、しばらく沈黙が続いた。居た堪れない雰囲気に、その沈黙を破ったのは一ノ宮さんだった。
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