私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「そうだったんですか……会社が倒産とは、あなたも大変でしたね。親御さんもさぞかし心配だろうに」
雅人さんは私に同情するように声を落とした。

「家族は……いないんで……」

「え?」

雅人さんに聞き返されると、面接なのに何を言ってるんだろうと、ハッとなった。

「す、すみません! 変なこと言ってしまって――」

「いや、いいんだよ、すまないね、余計なことを言ってしまったかな?」

私は、ブンブンと首を振って一気に重くなってしまった雰囲気を払拭しようとした。

「私、コーヒーはすごく好きで、バリスタにも憧れを持ってるんです。ここで、お仕事しながら勉強できたらと思って……」

そんな都合よく拾ってくれるわけがない。そんなことはわかっていた。けれど、うまく言えなくても、熱意だけは伝わって欲しい。私は心の中で祈る気持ちでいっぱいだった。

「なるほどね」

雅人さんは、志望動機欄に目を落としたのか、ひとりで頷いている。
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