私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「ちょうど慧の下についていたバリスタの子がいたんだけど。急に辞めることになっちゃってね……バリスタの人手が足りなくて困っていたんだ」

「そうだったんですか……あの、他に従業員の方は何人くらいいらっしゃるんですか?」

「今は六人のアルバイトさんでシフト回してるんだけど、学生さんだとテスト期間入っちゃうと、休みがちになるからね……。シフトに入りたい時間とか曜日とかは? 花岡さんって住んでるところ、中野かぁ……通える?」

「大丈夫です! 毎日いつでも入れます!!」

そう、いわゆる私は無職だ。中野から渋谷までドアツードアでだいたい三十分もあれば着く。働きたい時間、曜日など選り好みしている場合ではない。私が勢いあまってそう応えると、雅人さんは最後に履歴書に目を通した後に言った。

「じゃあ決まり! 採用ね。早速だけど明日から来られる?」

「え……採用……ほんとですか!?」

就職活動を始めて以来、初めてもらった採用に私は思わず前のめりになる。

するとその時だった――。
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