私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
彼は私と目が合うとぱっと目をそらして、着ていたダウンジャケットをさっと脱いだ。

「あ、あの、明日からお世話になります、花岡里美です」

私は挨拶しなきゃ、と思い、席から立ってカウンターを挟んで歩み寄ると、ぺこりと頭を下げた。

すると……。

「ふぅん、ちっこいやつ」

私のつま先から頭のてっぺんまでジロリと視線を流すと、彼がひとことぽつりと言った。

「……へ?」

ちっこい……って、な、なななな、なんてことを――!

この失礼極まりない人が……店長さん、なんだよね――?

私の面食らったようなリアクションに彼はフンと鼻を鳴らした。ぶっきらぼうなその態度に、雅人さんは「すみません」と目で謝罪する。

「彼が、この店の店長で石堂慧だよ。今年から僕は店長を引退して彼にすべてを一任してるんだ。慧、花岡さんいつでもシフト入ってくれるっていうし、人手が足りないってぼやいてただろう」

「別に」

べ、別に……って、もしかして私、あまり歓迎されてない――?

なんとなく雲行きの怪しい雰囲気に戸惑っていると、雅人さんが私の肩をぽんっと軽く叩いて言った。
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