私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「慧、花岡さんはバリスタ志望だ。可愛い弟子ができてよかったじゃないか、花岡さん、慧はバリスタインストラクターでもあるんだ、実際スクールで講師もしていたし、しっかり教えてもらうといいよ」
私にニコリと笑うと、雅人さんは仕事に戻っていった。
バリスタにはバリスタ協会が認定するレベルがある。
その職に就くには絶対に持っていなければならないという資格はないが、自分のスキルアップや信頼性を高めるためにスクールを受講する人が多い。そのインストラクターとなれば、かなりの知識と技術を身につけ、経験も豊富に違いない。私は彼のその輝かしいバックグラウンドに、不愉快な気持ちも一気に吹っ飛んでしまった。
すごい! 私、そんな人の下で修行ができるんだ――!
石堂さんはいつの間にかバリスタエプロンに着替えていて、その姿も凛々しく輝いて見えた。すっきりとした切れ長の目に筋の通った鼻、そしてキリッと結んだ薄い唇は上品さを窺わせた。
「明日からよろしくお願いします! 色々教えていただけると――」
「もう用は済んだんだろ」
「……え?」
私を見る石堂さんの冷たい横目とその言葉に、思わず言葉が戸切れた。石堂さんはカウンターを拭きながら呆然としている私に見向きもしない。
私にニコリと笑うと、雅人さんは仕事に戻っていった。
バリスタにはバリスタ協会が認定するレベルがある。
その職に就くには絶対に持っていなければならないという資格はないが、自分のスキルアップや信頼性を高めるためにスクールを受講する人が多い。そのインストラクターとなれば、かなりの知識と技術を身につけ、経験も豊富に違いない。私は彼のその輝かしいバックグラウンドに、不愉快な気持ちも一気に吹っ飛んでしまった。
すごい! 私、そんな人の下で修行ができるんだ――!
石堂さんはいつの間にかバリスタエプロンに着替えていて、その姿も凛々しく輝いて見えた。すっきりとした切れ長の目に筋の通った鼻、そしてキリッと結んだ薄い唇は上品さを窺わせた。
「明日からよろしくお願いします! 色々教えていただけると――」
「もう用は済んだんだろ」
「……え?」
私を見る石堂さんの冷たい横目とその言葉に、思わず言葉が戸切れた。石堂さんはカウンターを拭きながら呆然としている私に見向きもしない。