悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
バッカス夫人によると今日の王妃の予定は、午前中から昼にかけてアクベス侯爵家の音楽サロンに出席し、その後は城内で貴族ふた組と謁見。
それと、秋の収穫祭を終えた頃に開かれる大規模な舞踏会や晩餐会用のドレスを、職人を呼びつけて注文するそうだ。
侍女の仕事は王妃の身の回りの世話の他に、外出時のお供も。
しかし私は、アクベス家の催しには付き添わなくてよいと、前もって言われている。
それは私の両親とアクベス家の間に、昔からの確執があるためだ。
王妃の配慮は私を心配してのことではなく、なにか事件が起きて、それに巻き込まれては困るという、自己保身の考えからなのは明白だ。
王妃は私を気に入らないのだから。
食堂を出て、長い廊下をバッカス夫人の後について歩く。
私の隣には、ルアンナ王女付きの十九歳の侍女。
鼻の付け根にそばかすを散らした彼女も先ほどの朝食の席にいて、バッカス夫人になにを言われても無表情で淡々と食事を続けた私を、不思議そうに見ていたものだった。
それと、秋の収穫祭を終えた頃に開かれる大規模な舞踏会や晩餐会用のドレスを、職人を呼びつけて注文するそうだ。
侍女の仕事は王妃の身の回りの世話の他に、外出時のお供も。
しかし私は、アクベス家の催しには付き添わなくてよいと、前もって言われている。
それは私の両親とアクベス家の間に、昔からの確執があるためだ。
王妃の配慮は私を心配してのことではなく、なにか事件が起きて、それに巻き込まれては困るという、自己保身の考えからなのは明白だ。
王妃は私を気に入らないのだから。
食堂を出て、長い廊下をバッカス夫人の後について歩く。
私の隣には、ルアンナ王女付きの十九歳の侍女。
鼻の付け根にそばかすを散らした彼女も先ほどの朝食の席にいて、バッカス夫人になにを言われても無表情で淡々と食事を続けた私を、不思議そうに見ていたものだった。