悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
どうしようかと迷いながら、アマーリアを膝にのせ、帽子を被せてみた。

まぁ、可愛いわ!

淡いピンクと黄色の羽根で覆われた派手な帽子は、アマーリアの顔を明るくしてくれた。

立ち上がった私はチェストに駆け寄り、引き出しを開けて、たくさんの手作りの服の中から羽根帽子に似合いそうなものを選び始めた。


大きなリボンのついたピンクのドレスがいいわ。それに白いマントを羽織らせるの。

襟元に羽根飾りのついたマントだから、帽子ともよく合っているわ!


ベッドに戻り人形の着せ替えを始めた私は、心が弾んでいた。

アマーリアを連れてダービーに参加する方へと、急速に心が流されていく。

母の心遣いを無下にしてはいけないわよね……。

自分にそう言い聞かせ、アクベス家の人たちの顔を頭の中から消し去り、広げてベッドに置いた手紙に視線を落とした。

すると、ふとした違和感を覚える。

お母様の字は、こんなふうだったかしら……?


着せ替えを中断して、手紙を手に取る。

二度三度と読み返していると、違和感は薄れてすぐに感じられなくなった。

母はOの字を潰したように書く癖があり、それもこの手紙には表れていて、気のせいだと思い直した。

なによりアマーリアに贈り物をしてくれる人は、人形を私に与えた母以外に、一体誰がいるというのだろう。


着せ替えを再開しながら、胸にはワクワクとした楽しさが膨らんでいく。

ダービーは午前中に行われる。

明日の朝に、私も連れて行ってくださいと、レオン様にお願いしなくてはと考えていた。

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