悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
レオン様の心の広さに触れ、そう決意した私は、「あちらのご婦人にご挨拶してきてもよろしいでしょうか?」と彼に申し出た。
滝のように流れ続けるジャノグリー卿の長話に相槌を打ちながらも、「あまり遠くに行かないでよ」と許してくれたレオン様。
きっと私が挨拶しようとしている相手が、アクベス家の婦人とは思っていないのだろう。
私の腰に回していた腕を外し、そっと送り出してくれた。
レオン様から離れた私は、馬券売り場の建物に足早に近づいていく。
柱の横でたむろしている集団は、私の行き先が彼女たちの所であると気づいたら、一様に驚いた顔をしていたが、すぐにヒソヒソと囁き合い、怪訝そうな目を向けてきた。
『笑顔で優しく』と呪文のように繰り返し心で唱える私は、ロザンヌ嬢の正面で足を止め、とびきりの作り笑顔で声をかける。
「皆さま、ごきげんよう。楽しそうでいらっしゃいますわね。わたくしもお話に混ぜていただけませんか?」
本当は挨拶だってしたくないし、顔も見たくない。その気持ちをぐっと押し込めて、努めて柔らかな口調で話していた。
そんな私の努力に婦人たちは嘲るような笑い声をあげ、ロザンヌ嬢の横に立つアクベス侯爵夫人が、からかうように答えた。
「まぁ、会話に混ざりたいんですの? オリビアさんのお話で盛り上がっていたのですけど、それでもよろしいのならどうぞ、どうぞ」
滝のように流れ続けるジャノグリー卿の長話に相槌を打ちながらも、「あまり遠くに行かないでよ」と許してくれたレオン様。
きっと私が挨拶しようとしている相手が、アクベス家の婦人とは思っていないのだろう。
私の腰に回していた腕を外し、そっと送り出してくれた。
レオン様から離れた私は、馬券売り場の建物に足早に近づいていく。
柱の横でたむろしている集団は、私の行き先が彼女たちの所であると気づいたら、一様に驚いた顔をしていたが、すぐにヒソヒソと囁き合い、怪訝そうな目を向けてきた。
『笑顔で優しく』と呪文のように繰り返し心で唱える私は、ロザンヌ嬢の正面で足を止め、とびきりの作り笑顔で声をかける。
「皆さま、ごきげんよう。楽しそうでいらっしゃいますわね。わたくしもお話に混ぜていただけませんか?」
本当は挨拶だってしたくないし、顔も見たくない。その気持ちをぐっと押し込めて、努めて柔らかな口調で話していた。
そんな私の努力に婦人たちは嘲るような笑い声をあげ、ロザンヌ嬢の横に立つアクベス侯爵夫人が、からかうように答えた。
「まぁ、会話に混ざりたいんですの? オリビアさんのお話で盛り上がっていたのですけど、それでもよろしいのならどうぞ、どうぞ」