悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
そこからは上品な嫌味を続けざまに浴びせられることになる。

アマーリアを抱いている私に「お人形を持ってくるなんて、まだ成人前のお子様でいらっしゃいましたか?」と聞いたのは、ロザンヌ嬢とは別の花嫁候補者のひとり。

もうひとりの候補者の令嬢には、「ダービー用のお帽子もご用意できないとは、オルドリッジ家はどうなさったのかしら?」と問われる。

たくさんの装飾品をつけた奇妙な帽子を被る彼女たちに比べれば地味ではあるが、私の帽子は王都一の職人に仕立てさせた一級品であるというのに。


それらの質問にまとめて答えたのは、私ではなくロザンヌ嬢。

「皆さま、オリビアさんは少々変わったところがおありですのよ。そのうちにきっと王太子殿下もお気づきになられますわ。女性を見る目がなかったことに。目がお覚めになられれば、花嫁を選び直されることでしょう」


ニタリと笑うロザンヌ嬢は、私をこき下ろすことができて満足げな様子であった。

彼女と視線がぶつかれば、アマーリアを抱く腕に自然と力がこもる。

我慢よ、私……。

公式な発表前でも、こうしてレオン様と連れ立って外出すれば、王太子妃は私で決まりだと誰もが思うことだろう。

彼女たちはきっと悔しくて仕方ないのだ。それをぶつけずにはいられない心境なのだから、怒らずに受け止めてあげないと。

その先には、敵のいない優しい未来が待っていると信じて……。

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