悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
レオン様が瞳を瞬かせている。

そして視線を婦人たちに流したら……彼女たちは「その通りでございます」と口々に答え、取り繕うようにオホホと笑っていた。


「王妃殿下にオリビアさんのお人形のことをお聞きしたことがありましたので、こうして拝見できて嬉しく思います。とても精巧な作りの素晴らしいお人形ですこと」


心にもないことを言ったのはアクベス侯爵夫人で、母親に続いてロザンヌ嬢も嘘をつく。


「お人形のお帽子と羽飾りをお揃いにするところに、オリビアさんの趣味のよさを感じますわ。ダービーに相応しい素敵なお帽子ね」


レオン様を前にして、不本意ながらも私を褒めるしかないロザンヌ嬢の笑みは、少々引きつっていた。

レオン様は彼女から私に視線を戻すと、小さなため息を漏らす。

それから手袋を外した手で私の頬を撫でてくれて、「よくわかったよ」となぜか切なげに微笑んだ。


彼の反応の意味を私はしばし考える。

本当は婦人たちに嫌味を浴びせられていたのだと、気づいているのだろうか。

アクベス家の人たちとの関係改善を図ろうとした私の努力について、『よくわかったよ』ということなのかもしれない。

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