悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
せっかく私が『笑顔で優しく』という彼の教えを守ったというのに、レオン様がらしくない顔をしていた。
スッと笑みを消して、鋭い視線をアクベス家の母娘に向けている。
ビクリと肩を震わせたふたりに彼は、口元のみに笑みを取り戻して、「ありがとう」と礼を述べた。
「オリビアと仲良くしてくれて嬉しいですよ。親切なあなた方を好ましく思います。今後も彼女に優しい言葉をかけてあげてください。俺はそれを注意深く見守ることにしましょう」
響きのよい彼の声はいつもより低めで、「では失礼」と私の肩を抱いて婦人たちに背を向けた途端に、笑みを失った唇から二度目のため息がこぼれ落ちていた。
その横顔を見ながら「あの、お怒りになられたのですか?」と恐る恐る尋ねれば、「怒ってないよ。快くは思えないけど」という不満げな声の返事をされた。
それはロザンヌ嬢に対して?
それとも私に……?
アクベス家との関係改善を図ったつもりが、やり方を間違えていたのかもしれないと、気を落とす。
彼の意にそぐわないことをしてしまったと、謝ろうとしたが、「俺自身に対してね」と思わぬ続きの言葉を聞いた。
「オリビアに変化を求めてばかりの俺が悪かった。君は素直で真面目だから、言われたことはやり遂げようと努力する。それをわかっていながら、無理強いしてしまったんだ。つらい思いをさせてごめんね」
スッと笑みを消して、鋭い視線をアクベス家の母娘に向けている。
ビクリと肩を震わせたふたりに彼は、口元のみに笑みを取り戻して、「ありがとう」と礼を述べた。
「オリビアと仲良くしてくれて嬉しいですよ。親切なあなた方を好ましく思います。今後も彼女に優しい言葉をかけてあげてください。俺はそれを注意深く見守ることにしましょう」
響きのよい彼の声はいつもより低めで、「では失礼」と私の肩を抱いて婦人たちに背を向けた途端に、笑みを失った唇から二度目のため息がこぼれ落ちていた。
その横顔を見ながら「あの、お怒りになられたのですか?」と恐る恐る尋ねれば、「怒ってないよ。快くは思えないけど」という不満げな声の返事をされた。
それはロザンヌ嬢に対して?
それとも私に……?
アクベス家との関係改善を図ったつもりが、やり方を間違えていたのかもしれないと、気を落とす。
彼の意にそぐわないことをしてしまったと、謝ろうとしたが、「俺自身に対してね」と思わぬ続きの言葉を聞いた。
「オリビアに変化を求めてばかりの俺が悪かった。君は素直で真面目だから、言われたことはやり遂げようと努力する。それをわかっていながら、無理強いしてしまったんだ。つらい思いをさせてごめんね」