悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
その後は、ここまで来てくれたダービー場の係の者から馬券を購入し、いよいよ開幕する。

馬主は裕福な貴族や豪商たちである。

私の家でもダービー用の馬を数頭育成していて、今日のレースに牡馬を一頭出場させていた。

一レース目に、その馬が走るので、当然私の馬券の一位には、うちの馬の名前を書き込んである。

二位と三位の欄は適当に、他の貴族の持ち馬の名で購入していた。


ファンファーレが鳴り響き、飾り立てられた馬に跨った王城の騎兵隊が現れた。

冬枯れした芝生の上を、何度も隊列を組み変えて行進するという恒例の見世物があり、それからダービー場の責任者の挨拶があった。


観客席は満席で、立ち見の見物客も大勢いる。

その数は五百名以上ではないだろうか。

寒気の中でも熱気が溢れていて、うるさいほどの歓声があがる。

号砲が鳴り響くと、十頭の馬が一斉にスタートラインから飛び出した。


普段は馬車馬しか目にすることがないので、ダービー馬の迫力に私はすぐに魅了される。

オルドリッジ家の出走馬は、艶やかな毛並みの黒馬。

騎手も馬主の雇い人で、うちの馬を操っている青年はレース経験が豊富だ。

騎手はそれぞれ違う色の上着を着ており、我が家の色はいつも黒である。

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