悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
はしゃいでいた気持ちは一気に冷えて、しまったと思っていた。
アクベス家の馬を下したと喜ぶ姿を見せては、向こうはいい気がしないだろう。
関係を修復するどころか、悪化させてしまったのではないかと危惧していた。
けれども母娘して私に笑いかけたから、意表を突かれた思いで目を瞬かせる。
「え……?」と呟いた私の声は、周囲の騒々しさに掻き消されて誰にも届かない。
ふたりは機嫌のよさそうな顔をして、そのまま私の横の通路を通り過ぎていった。
これはいったい、どういうことかしら?
ダービーは娯楽であり、持ち馬の勝敗は一喜一憂するほどのことではないと考えているの?
そうであるならば、胸を撫で下ろすところだけど、なにか違う気がしてならない。
ふたりの笑顔は、優越感に浸っているような、どこか得意げなものであった。
その意味するところは……。
考えても彼女たちの真意が読めず、ふたりの後ろ姿が人混みに紛れるのを、眉をひそめて見ていた。
すると隣から「勝負強いね。さすがはオルドリッジ公爵の馬だ」と話しかけられて、我に返る。
レオン様と視線を合わせれば、濁りのない瞳が弧を描いていた。
アクベス家の馬を下したと喜ぶ姿を見せては、向こうはいい気がしないだろう。
関係を修復するどころか、悪化させてしまったのではないかと危惧していた。
けれども母娘して私に笑いかけたから、意表を突かれた思いで目を瞬かせる。
「え……?」と呟いた私の声は、周囲の騒々しさに掻き消されて誰にも届かない。
ふたりは機嫌のよさそうな顔をして、そのまま私の横の通路を通り過ぎていった。
これはいったい、どういうことかしら?
ダービーは娯楽であり、持ち馬の勝敗は一喜一憂するほどのことではないと考えているの?
そうであるならば、胸を撫で下ろすところだけど、なにか違う気がしてならない。
ふたりの笑顔は、優越感に浸っているような、どこか得意げなものであった。
その意味するところは……。
考えても彼女たちの真意が読めず、ふたりの後ろ姿が人混みに紛れるのを、眉をひそめて見ていた。
すると隣から「勝負強いね。さすがはオルドリッジ公爵の馬だ」と話しかけられて、我に返る。
レオン様と視線を合わせれば、濁りのない瞳が弧を描いていた。