悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
私をかばうようにして地面に打ちつけられた彼は、無事だろうか?

もしかして大怪我をしているのではないかと、恐怖していた。

血相を変えた私を宥めようと肩に手をかけて、城医の助手が言い聞かせるように説明する。


「王太子殿下には城医が付き添っております。右腕を骨折しておりますが、意識もしっかりなさって、お命に別状はありません。ご安心を」


彼女の思惑に反し、私は慌てふためいた。
とてもじゃないが、安心などしていられない。

「骨折ですって!?」と驚いて、「レオン様は今どちらに?」とベッドの毛布を跳ねのけ彼女に問いかける。

「殿下の寝室でございますがーー」という返事を聞くや否や、肩にかけられている手を振り払うようにして、素足のままで床に降り立ちドアへと走る。


「オリビア様、今は二十三時です。殿下もお休みになられているかとーー」


後ろに引き止めようとするメイドの声が聞こえても、焦る私は止まることができずにドアを開けて廊下へ飛び出し、レオン様の寝室へと急いだ。


王族の居間の斜め向かいにある、彼の寝室のドアを叩くのは初めてのこと。

恥ずかしいという感覚は今はなく、ただこの目で彼の無事を確かめたいという一心であった。

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