イジワル外科医の熱愛ロマンス
「雫……好きだ」


密着した胸から、彼の少し速い鼓動さえ伝わってくる気がした。


「ゆ、たか、私も。私も、好き……」


祐が掠れた声で囁いてくれた想いに同じ言葉を返したくて、私は彼の背中に両腕を回した。


強く抱き合っていたら、感じる温もりがどちらのものかわからないくらい、肌の境界線が曖昧になっていった。
今まで経験したことのない甘い感触に、全身から湧き起こる止めどない淫らな痺れに、私は抗い切れない。


こんな私を、祐がどんな目で見つめているのか。
自分でも知らない私を、どんな風に思っているのか。
恥ずかしくて怖くて、でも知りたい。
なのに私には、彼の反応を確かめる余裕は、これっぽっちもなく……。


身を貫くような痛みが走り、私は引き攣った声をあげて、一瞬身体を硬直させた。
全身に力を込めて呼吸すら止める私を宥めるように、祐が何度もキスをしてくれる。


「雫。雫。……愛してる」


祐の方も息を乱しちょっと苦しげなのに、耳元でそう囁いてくれる。
心ごと抱きしめてくれる言葉に身を震わせ、もう祐以外のなにも感じられなくなった。
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