WANTED ~何故か隣国で指名手配されていたので、乗り込んでみました~ (平行世界)
エピローグ ~もうひとりの幼馴染~
エピローグ ~もうひとりの幼馴染~

  コンコン。
 ノックの音に返事をする間もなく扉が開いた。
「シノ」
 扉の向こうにいたのは、同じ年頃の金髪の青少年。
 シーフィラノよりも深い蒼い瞳が、長い前髪の隙間からチラチラと見える。
 ベッド傍の椅子に座っていたアルカディアは席を譲ろうと慌てて立ち上がるが、
 そのままでいいよ、と笑顔と手で制された。
「そろそろ僕は戻るから」
「体調はいいのか?」
「一日熟睡したから大丈夫。帰り道もゆっくりできるし」
「ありがとう、恩に着るよ」
「そう思うなら、ちゃんと約束は守ってよ」
「・・・わかった」
 カルマキルの王子と親しげに言葉を交わす彼を、アルカディアはちょっと驚きの表情で見つめる。
 その視線に気付いたのかふわりと笑顔をアルカディアに向ける。
「ディア、シノの見張りをよろしく」
「え?」
 突然、自分にも親しげに呼ばれて戸惑う。
「たぶん、懲りずに王宮から抜け出そうとするかもしれないから、見張っててね」
「まだ、そこまでの元気はないよ」
「まだって、抜け出す気満々じゃないか」
 大げさにため息をついて見せる彼だが、ふと真面目な表情も見せる。
「とりあえず、城内、敷地内は安全だと思うから」
「わかった」
「ディアの言うことなら、シノも効くと思うから」
「そんなこと…」
 自分にそんな力も権限もないと否定しようとして…
「昔みたいに、『先に行っちゃダメ』って捕まえといてね」
とちょっと含み笑いをした表情。
 シノとの過去を知っている人物?
「昔、会ったことある?」
「うん」
 思い出せるのは、『しーさま』と呼んでたシノ以外には、黒髪と金髪の少年ふたり。
 髪の色からして黒髪はケーノサの『けーさま』。
「金髪の…『えーさま』?」
「そう」
「エイーナ=テニトラニス、他国に留学中の王子だよ」
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