虹色キャンバス
「なんで香坂先生が来るわけ?」

横にいた長谷川が僕にそう聞いた。

よくよく辺りを見渡すと

日本画科の教師、藤本と夏野の姿もあった。


「みんなモデル目当てだろ」

「信じらんない。香坂先生なんて一度もデッサン教えたことないじゃん」

「確かに」

普段は指導など受けない他科の教師たちが、あちらこちらにいた。

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