【完】俺がずっと、そばにいる。
振り返ると、その低い声の主はりっくんで。
だけどなぜかその表情は、またしてもすごく機嫌が悪そうだった。
ムスッとした顔のまま、私の髪をいじる玲二くんの片手をガシッと掴む。
「なにやってんだよ。早く行くぞ」
「なにって、ゆずちゃんと仲良く話してたんじゃーん。お前のほうこそ、ファンの子たちの相手は終わったの?」
「あんなのいちいち相手するかよ。うぜぇ」
「うわ、つめたっ」
なんだか不機嫌そうだからちょっとためらったけど、一応自分からも話しかけてみる。
「りっくんおつかれ!試合勝ったね、おめでとう」
そしたらりっくんは、チラッと私のほうを見たかと思うと、すぐに目をそらして。
「フン。お前喋ってばっかで見てなかったくせに」
「え……」