記憶を失くした総長

『大丈夫だよ。細いって言っても生活に支障は出てないし。』

心配性だなぁ、と声をかけた時だった。

紗「___そうは言ってられないぞ。この前の闘争の時にあまり殴っていなかったから良かったものの、このまま行ったら骨折どころじゃすまない。」

病室の扉が空いたかと思ったら入ってきたのは紗音さん。

『…紗音さん!会いたかった!』

近づいてきたのがわかる。
そして頭に手を乗せられて、

紗「あぁ、私も会いたかったよ、麗華。じゃあ食トレを始めようか。もちろん私のご飯だ。___夕食が楽しみだな。」

頭を優しく撫でられている中、見えないものの簡単に紗音さんの表情が浮かぶ。

__とてつもなく綺麗な笑顔だ。

再び扉が開き、紗音さんが出ていったのが分かった。

『…み、みんな、居るよね?』

「「「「……ご愁傷様。」」」」

明日が、見えない。

麗華sideend
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