寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
昨夜帰って来てみれば、キッチンにコンビニ弁当のゴミが捨てられていたのだ。
それだけでは栄養バランスが悪いだろうから。
風見さんがじっと私を見る。
「あの、なにか……?」
「……いや」
風見さんは首を横にひと振りした。
「それと……風見さんの分のお弁当も作ってみたんですけど……」
昨日はたまたま食べただけ。
社長という立場上、外へ出ることも多いだろう。
必要ないと言われるのを承知で言ってみると、風見さんは目を大きく見開き、それから目を細めた。
「昼が楽しみだ」
嬉しそうに言うから、予想に反した反応に私のほうが動揺してしまった。
「……それじゃ、自分の分もありますから、私が一緒に会社に持って行きますね」
早口でそう告げ、電車通勤の私は先にマンションを出た。