寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

昨夜帰って来てみれば、キッチンにコンビニ弁当のゴミが捨てられていたのだ。
それだけでは栄養バランスが悪いだろうから。

風見さんがじっと私を見る。


「あの、なにか……?」

「……いや」


風見さんは首を横にひと振りした。


「それと……風見さんの分のお弁当も作ってみたんですけど……」


昨日はたまたま食べただけ。
社長という立場上、外へ出ることも多いだろう。
必要ないと言われるのを承知で言ってみると、風見さんは目を大きく見開き、それから目を細めた。


「昼が楽しみだ」


嬉しそうに言うから、予想に反した反応に私のほうが動揺してしまった。


「……それじゃ、自分の分もありますから、私が一緒に会社に持って行きますね」


早口でそう告げ、電車通勤の私は先にマンションを出た。

< 114 / 318 >

この作品をシェア

pagetop