寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
どう説明すべきかわからずオロオロしていると、琢磨さんは「もしかして兄貴の分?」とずばり核心を突いてきた。
私が答えられずにいると、琢磨さんは「へえ」と探るような視線で私を見た。
「あ、あの、違うんです」
それじゃなんなのかと自分で突っ込みたくなる。
琢磨さんは「兄貴に手作り弁当かぁ……」と呟いてから、「ま、いいや。じゃ、頑張ってね」と私の肩を叩き、悠然と歩いて行った。
どうしよう。大丈夫だったかな……。
そのうしろ姿を見送り我に返る。
――いけない! 風見さんを待たせているんだった!
お弁当を持って慌てて戻ると、風見さんは「ロッカールームは随分と遠いところにあるんだな」と鼻を鳴らした。
「お待たせしてすみません」
風見さんは、昨日同様にお茶を入れて待っていてくれたようだ。
「琢磨さんと途中で会って」
「琢磨と?」