寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

“リレイションシップ”?
そう言われてもわからない。


「あ、えーっと、日本では“コイビト”って言ったらいいのかな」


エイミーさんは美しい笑顔でそう言った。

――恋人。
鋭利な刃物で胸をひと突きされた感覚だった。


「そう、なんですね……」


やっぱりそうだった。
あのキスは挨拶なんかじゃなかったんだ。
目の前の仕事が手に付かないまま、時間ばかりが過ぎていく。
それからしばらくして出てきたお客様を理玖さんと見送り、待っていましたとばかりにエイミーさんが立ち上がる。

理玖さんは抱きついてきたエイミーさんを連れて「出てくるから」と私に言い残し、ふたりで社長室から出て行ってしまった。

なんとも言えない敗北感だった。
理玖さんに独占力を見せつけられて、誕生日を祝ってもらって、完全に舞い上がっていたことを思い知る。
私は所詮返品可能の“お試し”だ。
いつでもそれは頭にあったのに、少しは愛されているんじゃないかと勘違いしていた。

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