寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

全然へっちゃらだよと言ってくれることを、どこかで期待していた部分があったのかもしれない。
琢磨さんの口からよくない状況だと直接聞いて、体から血の気が引いていく。


「この前の臨時取締役会でもそのことでちょっとした議論になってね」

「そうなんですか……」


琢磨さんは腕を組んでゆっくりと頷いた。
肩に重い石を載せられたようだった。
今回のことは、少なからず私にも一因があると思わずにはいられない。
私が理玖さんと出会わなければ、理玖さんは美咲さんとの結婚を進めていたかもしれないから。


「でも、すぐに倒産とかになるわけじゃないから。茜ちゃんが気にすることじゃない」


本当にそう……?
主要な取引先が抜けてしまって、会社はやっていけるの?

どうしても暗い未来しか私には見えず、晴れるどころか分厚く灰色の雲に心は覆われた。

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