寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

「驚かせるなよ。なんのドッキリだ」


怒っているように見えないことにホッとした。本当にただ驚いただけのようだ。


「すみません。私もまさかこんなことになるとは思っていなかったんです」


風見さんがアパートに迷い込んだ日にこの会社の最終面接を受けたこと。
どうせダメだったのだろうとすっかり忘れていたところに、採用の連絡をもらったこと。
私はこれまでの経緯を話して聞かせた。


「風見さんの秘書だということも、たった今聞いたところだったんです。……あの、風見さんのマンションに住まわせてもらっていることは内密にしますから、心配しないでください」

「琢磨のやつ、俺にはひと言もなかった」


風見さんが悔しそうにぼやく。


「ご兄弟なんですね」

「なにかと面倒な弟だ」


そう言って苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

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