寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
ふたりして同じような感想を言うものだから、ついクスッと笑ってしまった。
「……なんだ」
憮然とする風見さんに「なんでもないです」と誤魔化す。
「でもちょうどよかった。実は、茜は俺の秘書に適任じゃないかと考えていたところだ」
「え……そう、なんですか……?」
そんなことを考えてもらえているとは思ってもみなくて、目を瞬かせて風見さんを見つめる。
「あの片づけのセンスを埋もれさせるのはもったいない」
風見さんは口角をニッと上げた。
喜びがじわじわと沸いてくる。
「……ありがとうございます!」
一身に頭を下げた。
初めて自分を誰かに認めてもらえた気がする。
あんな地味な特技を公に褒めてもらえるなんて……。