カフェの人々
「じゃあどうしたんですか?遺言を書かせ直したとか?」
「書かせ直しても同じ、またいつ自分に隠れて夫が書き直すかも知れないでしょ。女はね夫の財産全てを奪ったの。振り込め詐欺にあったふりをしてね。残すお金がなくなってしまえばあげたくてもあげられないでしょ。女にも夫以外に男がいたの。その男に振り込め詐欺のふりをさせたの」
彼女は首をかしげると何か考えているふうに黙った。
「でもそれが振り込め詐欺って言うんじゃ」
僕がそう言うと「あら案外頭いいじゃない」と褒められる。
「でもね、女の愛人である男は欲が出たのか女をゆすり始めたの。女は男が邪魔になった。当たり前だけど不倫の二人の関係を知る人はほとんどいなかったから、女はどうやって男を消そうか考えていたわ」
「消すって殺すってことですか?」
女性は口元に笑みを浮かべうなずく。