きっと、ずっと、恋だった。



行ってくる、と柊香が顔を上げて。

屋上の前にいるよ、って高嶺が答えた。



私は高嶺とふたり、走っていく柊香の背中を見送る。

高嶺の横顔を見上げて、でもなんて声をかけていいかわからなくて。





この5人の関係を壊すのがこわくて、迷っていた柊香。

だからそれを、先に壊した高嶺。



それは高嶺の優しさで、そして柊香への想いの強さを表していた。




「…高嶺、すごいね」



「え?」



「格好よかったよ」





< 112 / 240 >

この作品をシェア

pagetop