きっと、ずっと、恋だった。
思いもよらない言葉に、驚いて目を見張る。
からかっているのかと疑うこともできないくらい、真剣な瞳だったから。
「元気で明るくて、そういうところ可愛いと思ってた」
初めて知った中谷の気持ちに、なにも言えずに見つめ返す。
「よかったら、俺と付き合って」
「え…と、」
「返事は、明日聞かせてほしい」
とにかく何か言おうとした私を遮って、走って行ってしまった中谷。
びっくりして、心臓がバクバクしている。
ああ、なのに、こんなときなのに。
頭に浮かぶのは、いつだってー…。
誰もいない廊下を見つめて、しばらく立ち止まっていた。