ネイビーブルー
あんなにお腹すいてたのに。
そのまま昆布のおにぎりだけを買って、外に出てきてしまった。
しまった。温かいお茶も買えば良かった…
何してんだ、わたし。
マフラーをぎゅっと巻き直して、自転車に乗る。
その日の塾は、まったくと言っていいほど授業が頭に入らなかった。
あの人の名前、何て言うんだろう?
聞けば良かったかな…
いやでも、それって逆ナン…?
高校、どこ受けるんだろ。
身長、結構高かったなぁ…
何センチなんだろう?
そもそも、どこの中学って言ってたっけ?
明日真奈美に聞いてみようかな。
あの人、私のこと覚えてくれてた…んだよね?
でも絶対チャラい。
絶対女慣れしてるし、恋愛経験豊富そうな気がする。
いろんな女をその気にさせてそう。
想像だけど。
あぶない、あぶない…
もうすぐで、引っ掛かるところだった。
もう恋愛で、恥ずかしい思いしたくないから。
慎重に生きていくって決めてるんだ。
全く身になってない塾が終わって、携帯を見ると直哉からメールが届いていた。