ネイビーブルー
いやいや、でも待って?
それか、嘘じゃないのかも。
本気だったけど、桜子に彼氏いるって言われたから、架空の先輩のせいにしたって可能性もあるよね…
どっちにしても。
私は同じクラスなのに、輝とはいまだに話したこともなくて。
メールすらも、来ていない。
やっぱり輝は、私のことなんて覚えてないんだろうな…
「そういえば輝くん。
あたしにはさ、加奈のこと聞いてきたよ」
思い出したように、真奈美が話し始めた。
「へっ?」
突然、自分の名前が出てきて驚く。
「カナって彼氏いんの?って聞かれた。」
「え!それほんと?!」
無意識に、真奈美の腕を掴んでしまう。
「ほんとほんと。」
「なぁに~?
もしかして加奈って、輝くんのこと気になってるの~?」
桜子が、茶化してくる。
「いや、そうじゃないけど…
話したことないから、話してみたいなって」
桜子に言われたことは、少し図星で。
言い訳っぽいことを言ってしまう。
「ま、彼氏いないって言っといたからさ。
そこから返事返って来なかったけどね。」
頑張れ、とでも言いたげな真奈美。