Miss you・・・
何も言えず、ただ蘇我さんを見ている私に、蘇我さんは、「そんな顔で見るなよ、ちくしょう」と、ぶっきらぼうに言った。
それでハッと我に返った私は、「え、あ・・・すみません」と謝って、顔をそむけた。

元夫の聡史さんから、散々ブスだと言われた顔だ。
きっと間抜けな表情で、蘇我さんに見惚れていたに違いない。

やっぱりさっき蘇我さんが言ったことは、夢だったんだ。
そうよ。大体、蘇我さんと私じゃ、つり合わない。

住む世界が違うのよ。

「そんな顔で見つめられたら、キスしたくなるだろうが。俺、おまえに手出さないよう、必死で押さえてんのに、これ以上俺を煽るな、アホ」

・・・え。今なんて・・・。
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