復讐劇は苦い恋の味
「まぁ……姉ちゃんのこと身を挺して守ってくれたし、多少印象は良くなったけど」

最後にボソッと呟いた彼の言葉に、「フフッ」と声に出して笑ってしまった。

「笑うなよ」

バツが悪そうに言う圭にますます笑わされる。

「ごめんごめん。……でもありがとう。今度落ち着いたら君嶋くんと会ってね」

「……わかってる」

圭と私は血の繋がり以上に強い絆で結ばれている姉弟って思ってもいいかな? ……いいよね、圭。

だって私たち、こんなにもお互いの幸せを願っているのだから。

だからこそ私、決めたよ圭。

私の幸せを願ってくれている圭のためにも、なにより自分のためにも一歩踏み出そうって。

ある決心を固めた私を乗せて圭の運転する車は自宅へと向かっていった。




次の日。

この日も圭に朝は車で病院まで送ってもらったものの、搬送されたのがうちの病院ということもあって、昨夜の事件は夜勤職員から広がり、朝の勤務が始まる頃にはすっかりみんなの耳にも入ってしまった。
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