復讐劇は苦い恋の味
そう言い聞かせても心臓はいまだにバクバクいったまま。

気になり彼らを見ると、その中のひとりに斎藤さんらしき人の姿があった。

あの人、斎藤さんだよね? 昔よりうんと綺麗になっているけれど、たぶんそうだと思う。

他のメンバーもよく見ると、見覚えのある面々ばかり。みんな君嶋くんといつも一緒にいたクラスメイトだ。

とにかくバレないようにしよう。圭と叔母さん、そろそろ来る頃だよね?

連絡がきていないかスマホを確認した時、斎藤さんが嬉しそうに声を上げた。


「あ、君嶋くんから連絡きたよ! もう少しで着くって」

「――え」

思わず顔を上げ、彼らをまじまじと見つめてしまう。

今、斎藤さん……君嶋くんって言ったよね?

ちょっと待って。斉藤さんたちが待っているのって、もしかして君嶋くんなの?

そういえば昨日言ってたよね、ずっと前から友達と会う約束をしているって。

じゃあ本当にここに来るのは君嶋くんなの?


あれほど気づかれないようにと気をつけていたのに、それさえも忘れてまじまじと斎藤さんたちを眺めていると、当然気づかれてしまった。
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