復讐劇は苦い恋の味
昔の苦い思い出に胸が苦しくなる。

やだな、早く圭と叔母さん来てくれないかな。


チラチラと周囲を見回しながら、ふたりの到着を待ちながらも、彼らが騒ぐたびに視線が向かってしまう。

そこでふと気づく。

あれ……? なんかこの人たち、見覚えがある。どこかで会ったことがあるような……。

気づかれないように彼らの顔をよく見る。

やっぱりこの人たち、知ってる。でもどこで会ったんだろう。こんな人たちと知り合う機会なんて……。

そこまで想いを巡らせて蘇る記憶。


「あっ……」

思わず漏れる声。

けれど彼らには届いておらず、相変わらず大きな声で話している。

彼らに気づかれないように顔を伏せた私の心臓は、驚くほど速く脈打っている。

まさかこんなところで再会するなんて夢にも思わなかった。本当に神様ってば、どこまでも私に残酷なんだろう。

こんな再会嬉しくない。どうせ会わせてくれるなら、昔仲が良かった友達にしてほしかった。

でも君嶋くんが気づかなかったんだもの。彼らだって私だって気づかないはず。

一緒に過ごしたのはたった一年間だけだもの。バレるはずない。
< 217 / 293 >

この作品をシェア

pagetop