復讐劇は苦い恋の味
「まぁ……そんなことしたら朝陽に殺されるだろうけどな」

そう言うとふたりは君嶋くんを見る。

ふたりの視線に彼はムッとした。

「おい、なんだよそれ。ちゃんと美空に謝れよな。お前ら、それだけのことを美空にしたんだから」

「き、君嶋くん……」

強気な態度でふたりに接する君嶋くんに、こっちがハラハラしてしまう。

当然そんな君嶋くんにふたりもムッとした。

「おい、それはお互い様だろ? つーか一番関さんに酷いことをしていたのは、お前だよな?」

「そうだよ、朝陽が一番酷かった。散々傷つけていたのは朝陽だろうが!」

そんなふたりに君嶋くんは狼狽え出す。

「そ、それはっ……! わかってるよ、だから俺は精いっぱい美空に謝ったんだ。お前らとは違ってしっかりな」

「はぁ? 謝ればいいってもんじゃねぇだろ! それだけのことを俺たちは関さんにしたんだ」

「そうだぞ、朝陽お前浮気とかぜってーするなよな!」

「するか!!」

目の前で繰り広げられるテンポ良い会話に、目を白黒させてしまう。
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