15歳、今この瞬間を
佐久田朗と菊谷亮、あきらとあきら、ロウとリョウーーーなにかの呪文みたいだ。

てか下の名前で呼ぶから紛らわしいんじゃん、名字で呼べばいい話だよ。


結局、転校初日のこの日は、佐久田くんと菊谷くん以外の子と話すことはなかった。


「ただいま…」

リビングにいるお母さんにぼそっと言ってから自分の部屋に行こうとしたら、

「夢希ちゃん!今日、担任の先生から電話があったわよ」

「…」

ノー天気とも取れる、ムダに明るい声に呼び止められた。

「夢希ちゃんの髪の毛、何とかしてって。どうする?」

「…直さないよ」

「そうよねー。お母さんも、その髪の色かわいいと思うわよ」

このすっとぼけたような態度に、本気でイラッとする。

普通の親なら叱るところなんじゃないのか。

あたしは無言でリビングを出た。

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