15歳、今この瞬間を
かまわれない方が楽な時もある。

転校するたびに、あたしは親に対してもそう思うことが増えていった。



「ういっす」

「…」

翌朝、学校に着いたあたしは、頭の上から降ってきた声に一瞬反応すると、黙って上靴に履き替えて教室に向かった。

「え…おいシカト⁈井上さーん!」

「ロウおまえ何かしたの?」

「してねーよ」

佐久田くんと菊谷くんの話し声が、他の生徒たちの声に混ざって聞こえてきた。

昨日少し話したくらいで、友達みたいな態度をとらないでほしい。

どうせ最初だけなんだから…。

教室に入ると一瞬静まり返ったクラスメイトたちがあたしに注目し、すぐにまた何もなかったように騒ぎだす。

あたしはリュックをおろすと、机に突っ伏した。

「井上さーん」

「……」

「井上さーん。おーい、井上さーん」


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