15歳、今この瞬間を
「いい?夢希ちゃん。男は外見じゃないのよ」

「……」

いや、リョウくんは頭もいいしスポーツも出来るし…自己中なところを除けば、かなり完璧に近いと思うけど。

「佐久くんみたいな強い目をした子が、お母さんは好き。まだ子どもなのに、なにかとても辛いことを乗り越えてきたような…きっと素敵な大人になるわよ〜」

なにかとても辛いことーーーか。

ありさちゃんの死ーーー。

「さぁさぁ夢希ちゃん、そんなことよりケーキ選んで!お母さん、夢希ちゃんが楽しそうでなによりだわ」

お母さんは鼻歌を唄いながら、ケーキの箱を開けていた。

「雨だいぶ降ってきたわね〜、大丈夫かしら」

「大丈夫……じゃない?」

ロウなら、パーカー着てたし…途中のコンビニで、傘買うかもしれないし……。

ケーキを食べながら考えるのは、ロウのことばかりーーおしゃべり好きのお母さんの話を、あたしはほとんどスルーしていた。

それにしてもお母さん、ほわほわしてるくせに意外と周りを見ているみたい。

ロウのことを、あんな風に言うなんて思わなかった……。


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