15歳、今この瞬間を
「ん?」

悪びれた様子もない菊谷くんに、あたしは何も言えなかった。

これだからクラスの中心人物は……自分の意見が全て受け入れられると思っているから厄介だ。

あたしの経験上、自己中が多いという印象。

「何でもない」

こういうタイプの人たちに反論しても仕方ない、受け流してやり過ごしたほうが楽なことを、あたしは知っている。

ほぼ、悪気がないのだから。

それに、体育祭の種目なんて何でもいい。

勉強は、転校の度に教科書がかわったり進み具合も違ったりで、正直苦手。

でも運動は違う、自分の身体能力の話だから環境の変化は関係ない。

あたしは、運動だけは得意だ。

「みんなだいたい希望がでたかしらね」

まっすーが、黒板を見ながら言った。

借り物障害物競争と縄跳びリレーの場所に、佐久田くんの元気な文字であたしの名前が書いてあった。

希望が偏っている種目はジャンケンでふるいにかけられ、負けた人たちは他の種目へ変わっていく。

全て決まったところで、あたしは誰がどの種目に出るかを紙に書き写し始めた。


< 23 / 287 >

この作品をシェア

pagetop