15歳、今この瞬間を
あたしは仕切れるタイプじゃないから、こういう子が班にいてくれると助かる。

ショーが開催されるイルカプールに向かう途中、そのプールの下にあたる場所を通りかかったあたしたち。

一面に広がるイルカの水槽と、その前には階段のような観覧席があって、水中でのイルカの様子がよくわかる様になっている。

ここは……ロウから、ロウの過去の話を聞いた場所だった。

「……」

初めて見た時にすっかり魅了されてしまったこのイルカの水槽、でもあたしが思い出すのは……ロウの涙。

集団行動も忘れて足を止めたあたしは、水槽の中のイルカをぼんやりと見ていた。

一匹のイルカを目で追っていると、よく知っている後ろ姿が飛び込んできた。

「…リョウくん!」

「ああ…夢希か」

思わず大きな声で呼んでしまったあたしに驚くでもなく、リョウくんは、ぼんやりとイルカたちに身を委ねていたような反応だった。

「ひとりでどうしたの?」

「そういう夢希も、ひとりじゃん(笑)」

リョウくんは、これまでにないくらい穏やかな表情をしていた。


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