15歳、今この瞬間を
「あたしは、イルカショーを見に行く途中だったんだけど……」

「迷子か(笑)?」

「ちが……!」

「あはは、相変わらずだな夢希は」

焦るあたしをからかうリョウくんが、楽しそうに見えた。

思えばこんなやりとりも久しぶりだと感じるくらい、リョウくんとは疎遠になっていて。

彼氏彼女という関係は、すっかり肩書きだけになってしまっていた。


「座るか?」

「うん」

リョウくんの隣に座り、目の前で泳ぐイルカたちを見つめる。

「俺…ダメなんだよな〜水族館」

ありさちゃんが、亡くなった場所だから……。

「…うん、知ってる」

「……」

リョウくんは少し目を見開いた後で、

「ロウのやつ…」

と言って、舌打ちをした。

「リョウくんは、」

あたしは、避けちゃいけない…。

リョウくんと向き合い、自分自身と向き合うーーー簡単なことではないけど、避けない、逃げないと決めた。



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