15歳、今この瞬間を
「ありさの、好きな色なんだ」

やっぱり……。

懐かしそうに花束を見つめるロウの横顔を、あたしは静かに見つめたーーー。

水族館を過ぎて少し歩くと海が見えてきて、本当に海が近いのだと実感する。


「リョーーーウ!」

視界がひらけて海がよく見える広場のような場所まで来ると、急にロウが大声を出した。

「え、リョウくん?」

きょろきょろ見渡すと、こちらに歩いて来る長身の人影をとらえることができた。

「ロウ、被ったな……(笑)」

「ああ(笑)」

2人が持っている花束の色が、ピンクと白と黄色で同じ組み合わせだったのだ。

それは、ありさちゃんの好きな色ーーー。

2人は海が見える柵の前に花束を並べて置くと、そのまま黙って海を見つめていた。

それは、ありさちゃんに語りかけているようで、次にどちらかが口を開くまで、あたしはそれを見守った。

今日は、ありさちゃんの命日だーーー。



< 284 / 287 >

この作品をシェア

pagetop