15歳、今この瞬間を
「んあ?」

振り向いたロウは、いつものロウだったけど、

「何でもない」

俺は、気付いてしまった。

ロウは、好きな子の話をする時や好きな子と話をしている時、右手で首の後ろを触るのがクセだ。

本人はそんなこと気付いていない風だから、俺もあえて言うことはしないけど。

ロウがありさのことを好きだったのは、俺もよく知っている。

でも今のは…俺は、夢希に対してのような気がしていた。

ありさに似ていると言ったくらいだ、好きかどうかは別として、ロウが夢希のことを気になっていてもおかしなことではないか。

「リョウどうしたんだよ、難しい顔してさ」

「別に〜」

考え事をしている時に眉間にシワが寄るクセ、直さなきゃな。

「てかもうすぐ中間テストだろ〜、リョウ得意のヤマ教えてくれよ」

「しょうがねーな、高いぞ(笑)?」

俺は、不機嫌な俺をしまい込んで、笑顔をつくる。


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