15歳、今この瞬間を
「そうだよな、ごめんな夢希。余計なお世話かと思ったけど、転校してきてすぐのテストだから色々大変かと思ってさ。な、ロウ」

「お?おぉ…」

「……」

菊谷くんは学級委員だからか優しくて、そんな事を言われたらあたしは何も言えなくなってしまう。

あたしは、おとなしく教わることにした。



2人がやって来てから3時間ほどが経過して、

「よし、じゃあ後はこれをやっておけば大丈夫だから。俺の自信作!」

菊谷くんは、あたしと佐久田くんに何枚かの紙を渡してきた。

「うわ、けっこうあるな〜。でもリョウのヤマって当たるんだよねー」

佐久田くんは、もらった紙をひらひらさせていた。

「5教科分あるから多いのは当たり前だ。あ、夢希、これは俺作のテストのヤマプリント。これやっておけば、だいたいは大丈夫だから」

「…うん」

あたしのために…?って思うのはうぬぼれだよね、佐久田くんにも渡してるし。


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