15歳、今この瞬間を
2人とも、スマホ片手に準備万端だし。

「…080……」

3人の笑顔に囲まれて、渋々スマホの番号を口にするあたしだった。

「サンキューな!後でラインするわ」

「…じゃあ」

佐久田くんの言葉にまともに答えないまま、あたしは自分の部屋へと向かった。

「あらあら、ごめんね愛想のない子で。これでも2、3年前はね……」

お母さんが、また過ぎたことばかり言っているのが少しだけ聞こえたけど、あたしはかまわず部屋に入りドアを閉めた。

そのまま座り込んで、スマホの画面を見つめる。

「……」

ゲーム機と化していたあたしのスマホが、少しだけ重たく感じたのは気のせいだろうか…。

不思議な気分だった。


《今日はイキナリ来てごめんな!テストが終わっても体育祭の練習とかでしばらくは忙しいけど、頑張ろうな!》

夜ーー本当に、佐久田くんからラインが来た。

ひとつ増えたトーク画面を見つめる……増えたと言っても、ラインはお母さんとしかしていないから、2つしかないのだけど。

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