赤い刻印 - Secret Love -
もう隠し通せそうにない。
そう感じた私は小さく頷いた。
先生はある程度確信を持っていってるみたいだから。


「ごめんな、矢沢」

先生はそう呟いて私の体を優しく引き寄せた。
ふわっと甘い香りに包まれる。
やがて服の上から伝わってきた温もりと先生の鼓動の音。


「ちょっ…!」


ようやく自分が先生に抱きしめられている事実を理解して赤面する。

「先生?何考えてんの!?またこんなとこ見られたら…っ」

私は手足をジタバタさせてどうにか先生の腕から逃れようとする。
だけど力が強くてなかなか解けない。

「大丈夫。鍵も掛けてるし今日は黒いカーテンもバッチリ閉めてあるから」
< 196 / 238 >

この作品をシェア

pagetop